昨晩、NHKで「定年性アルコール依存症」という怖い番組を見ました。

何もすることがないので朝から晩までアルコールを口にするようになり、完全な依存症になってしまうというケースがいくつか報告されるのですが「何もしなくても生活できるのは危ないこと、怖いこと」なのだという認識を広げる必要がありそうですね。精神科医兼作家の「なだいなだ」解説でしたが、「何もしなくても生活できる」状態に置かれると、生理的にアルコールを受け付けない人以外は誰でもアルコール依存症になり得るのです。

いい会社、いい役所を定年まで大過なく勤め上げれば「何もしなくても生活できる」状態が20年も続くのです。その入り口の62、3歳でアルコール依存症!
やがて脳が萎縮し、頭蓋骨の中はスカスカ。アルコール依存症から認知症に進化します。

本人は何の苦痛も感じないかもしれないが、周囲にとっては悲惨でしょうなぁ。

NHKの番組らしく、どのケースも「ナントカ会」に入ってアルコールを断つというストーリーですが実際に脱出できる確率はどれくらいでしょうか。このところ『暴走老人!』の報告を中断していますが、世の「暴走老人」にはアルコール性暴走も相当含まれているように思えてきます。

アタシ?
アタシャ自慢じゃないけど定年までサラリーマンが勤まらず、自営業になって70歳になるまでワーカホリック状態。
他人様は「本物のワーカホリック、仕事中毒症」とみなしていたようですが、本人としてはずーっと老後のことが不安で手綱を緩められなかったのです。
それが「仕事中毒}?

そうか...
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# by convenientF | 2008-06-07 16:23
これも2年近く前に書いたものですが、ご希望がありましたので再掲載します。

コメントまで全部お読みいただいているゲストの皆様はご存じでしょうが、私は以下のようなコメントを書いたことがあります。

**********************
なお私は顔見知りではない政治家、芸能人、スポーツ選手その他の有名人には敬称を付けません。敬称を付けないのが有名人に対する礼儀だと信じております。
どこかのTV局みたいに「夏目漱石さん」「井原西鶴さん」といった表現は使いません。
**********************

これに対し、ある読者から質問がありました。

**********************
ちなみに、有名人と非有名人の線引きはどこですればいいとお考えでしょうか?
**********************

困りましたね。取りあえず「直感」「主観」と答えておきましたが、芸術家、芸能人、プロスポーツ選手を志し、努力している人たちの究極の目標は報道や批評で肩書敬称なしで扱われることなのです。認識され、特定されることなのです。「お笑いタレントの明石家さんまサン」とは呼びません。「さんま」で通じます。そのレベルが目標なのだと、私のボーカルの先生も言っています。

ところが例のテレビ局の早朝報道番組は「文豪芥川龍之介サン」なのです。さらに局側から出ている連中は「ヤムヲオエナイ」に統一しています。
かつて、この番組のファンたちの掲示板がありました。私は、ここで「敬称が無礼なときもある」と主張し、更にアナウンサーたちの間違いを指摘し続けました。
オーストリーという国の存在を知らないアナウンサーが現れたのもこの番組です。「今はどういう採用試験をやっているのか」と批判したら、その日を以てこの掲示板がなくなりました。

実は私、この会社の最初のテレビ・アナウンサー採用試験を受験したのです。最終のマイクテストで「声のピッチが低すぎる」という理由で不採用になったのですが、その時の筆記試験には西ヨーロッパの白地図に国名を書き込む問題がありました。ソ連時代ですから東を外したのでしょう。とにかくオーストリーを知らなければ筆記で落第のはずですが、いまは容姿の方が重視されるようです。

なお、一部では未だに語り継がれている「イチニチジュウヤマミチ」は別の局の夕方の番組でした。美貌で売り出したアナウンサーが「旧中山道」をこう読んだのです。彼女は間もなくテレビ局を去り、バラエティ・タレントになりました。

テレビって、面白いときもあるんですよ。
銀行の「破綻先様」「破綻懸念先様」ほどではありませんが...

Commented by AAA

>いまは容姿の方が重視されるようで

私なんかは「容姿だけを重視」されたと思ってしまうことが時々あります。それにしても「イチニチジュウヤマミチ」はいい!!
Commented by BBB

アナウンサー達の話す言葉の影響力はとても強いですから、正確に伝えて欲しいですね。 聞き慣れてしまえば、「夏目漱石さん」も不自然じゃなくなってしまうのが怖いような・・・・

P.S. もし、その頃、「容姿の方が重視」でしたら、Author様は、合格されていたのでしょうね。 (^O^)

Commented by Author

AAA様

「イチニチジュウヤマミチ」はその瞬間を視聴したんですよ。サラリーマンだったのに平日の6時台になぜ家にいたのが不思議ですが。
最初は私もわかりませんでした。今でもメインキャスターを務めている女性アナウンサーが「キュウナカセンドウノアヤマリデシタ。ツツシンデオワビ、テイセイシマス」と言ったのでやっとわかった次第です。

私も「容姿ばかり」と表現しようとも思ったのですが、チョット優しさを見せました。本心は「容姿ばかり」です。呼吸法も発声法も、基礎がまるでなっていません。

Commented by Author

BBB様

>P.S. もし、その頃、「容姿の方が重視」でしたら、Author様は、合格されていたのでしょうね。 (^O^)

もちろんです!!!!

Commented by CCC

容姿もどんなモンだろう?凸凹だけじゃないか。
まあ、容姿となると好みの問題ではありますね。

Commented by DDD

イチニチジュウヤマミチは最高ですね。真剣に何のことか、考えました。旧中仙道の文字を見ても、一瞬わかりませんでした。
ちょっと、笑いのつぼにはまってしまいました。
小生も、小さい会社ではありますが、採用の側になっています。現在は、中小に応募してもらえる人材に、容姿すらも求められないのが現状です。一般常識は、現社員にも期待できません。

Commented by Author

CCC様

>容姿もどんなモンだろう?

ダンナ、それ言っちゃおしめえよ、とも言えないんですな、これが。
「イケメン・アナ」「美人アナ」と言われて「どこが?」ってぇ場合が少なくありません。
しかしアナウンスのドジは時に最高の娯楽になりますから、オマエ等、あんまり勉強するなよ!

Commented by Author

DDD様

>ちょっと、笑いのつぼにはまってしまいました。

ウッシッシ。
しかも実話ってところが凄いでしょう。「小説よりも奇なり」です。

>一般常識は、現社員にも期待できません。

「自分達は常識人だ」と意外に本人たちは思っているかもしれませんよ。
「DDDの方が非常識だ」なんて(笑)。

Commented by DDD

そうですね、今の若い人から見れば、私は、宇宙人かもしれません。この文章も実は かな 打ちをしているものですから。 宇宙人ではなく化石だと思われていますね。 きっと

Commented by EEE

>「声のピッチが低すぎる」

ってことはやはり「渋い」感じですかな。バリトンかバスか?
あるいはもっと「ドスのきいた」感じですかな。
田端義夫はかなり高いですが、お好きなようですね。

Commented by Author

>かな 打ちをしているものですから。 宇宙人ではなく化石だと思われていますね。 きっと

ハハハ、互いに相手は異星人だと割り切って暮らすのも知恵ではないかと思います。それに、彼らの中にも「かな打ち」はいるでしょう。我々夫婦は二人ともOccupied Japanに暮らしたことがあるので英文タイプはほとんどブラインドタッチですが、セガレ共は「かな打ち」です。

Commented by Author 

EEE様

ト音譜面で言いますと、学生時代はずっとはみ出したEから上に突き出たGまで使っていました。だから混声合唱では二役を務められました。
今は下はG、上は線内のE♭までですか。(再掲載注:”上に突き出たG♭まで”戻りました。)

>田端義夫はかなり高いですが、お好きなようですね。

高いから憧れなんですよ。トニー・ベネットも憧れです。
まして、三代にわたる三大テノールを持っているのですから、正常じゃありませんね。
アナウンスで「ドスを利かす」勇気はありませんでしたね。
サラリーマン時代に内職として某局でジャズのDJをやっていたときは時々ふざけて河内弁で凄んでいましたが(笑)。

Commented by EEE

>サラリーマン時代に内職として某局でジャズのDJをやっていたときは時々ふざけて河内弁で凄んでいましたが(笑)。

Author様のコメントの多くは最後の一行で笑ってしまいますね。さすが、というか道灌じゃなかった同感いたします(笑)。
Commented by FFF

「イチニチジュウヤマミチ」事件があったとき、それを他局のバラエティ番組でカラカッテの報道をしていたのをご存知ですか。ところが、これまた容姿端麗な?女子アナでしたが「他局の女子アナが、キュウチュウサンドウをイチニチジュウヤマミチと読んだそうです」とやってしまい、ホストがあわてていました。

Commented by Author

>Author様のコメントの多くは最後の一行で笑ってしまいますね。

一部の編集者には「スカンク先生」と呼ばれています(笑)。
しかし、最後の一行しか考えないための失敗もあります。
たとえば、

>国内旅行からのお早いお帰り、お待ちしております。

>私は待ってませんが(笑)。

間に「ありがとうございます」を入れたつもりが入っていません。BBB様に大変な失礼をしてしまいました。

Commented by Author

FFF様

>これまた容姿端麗な?女子アナでしたが「他局の女子アナが、キュウチュウサンドウをイチニチジュウヤマミチと読んだそうです」とやってしまい、ホストがあわてていました。

それは知りませんでした。こういうの「錦上花を添える」の範疇に入るのでしょうか(笑)。

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# by convenientF | 2008-06-05 15:54
5月28日(水)の日経朝刊「蘇れ医療」に、いわゆるメタボ基準を作った松澤佑次医師の談話が載っています。

薬漬け医療をやめ予防の大切さを伝えたかったのだが、厚生労働省に待っていましたとばかりに組み込まれた。基準値だけ独り歩きしてしまった。

同じ記事に、メタボ健診に正面切って反対している大櫛陽一医師による試算結果も紹介されています。メタボ健診で二人に一人は病院通いを強いられ、医療費は逆に年間四兆~五兆円増えるという試算です。

健診を実施しなければ「後期高齢者医療制度」への拠出を増やされ、健診を実施すれば医療費給付が増えるという仕組みのようです。

以前、古代社会には高血圧症の人もガン患者もいなかった、と書いたら「古代人は健康だった」と私が主張したことにされ、可笑しいけれど訂正せざるを得ず忙しい思いをした経験があります。
医学すなわち検査技術が発達すればするほど病人が発見され、集団検診の対象を広げれば広げるほど病人が増えるのです。その結果、健康保険からの給付は増えます。
大好きなパラドクスの一つです。

しつこく念を押します。検査技術が発達する前、あるいは集団検診が実施される前の人々が丈夫なわけではありません。
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# by convenientF | 2008-05-28 16:11
小泉氏は、隣の都立大学駅が最寄りのホールに登場。約2200人が集まり急きょ第2会場を設けるほどの人気ぶり。佐藤氏を「女にしては、美人にしては度胸がある」とヨイショ。(SANSPO.COM)

小泉氏:小泉純一郎
佐藤氏:佐藤ゆかり

「女にしては、美人にしては...」なんてセリフ、一般人が使ったらセクハラで訴えられますな。
そもそも「現代社会人」の感覚からほど遠い褒め方?

さすが「姥捨て医療制度を作った」大宰相だ。


優秀な財務官僚さんたちへ
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# by convenientF | 2008-05-27 13:52
この週末、体調が何となく爽やかだったからか、キーボードを叩きながら聴いている音楽を乗り越えて入ってくるTV音声も認識できた。

先に口火を切ったのが官房長官、次が総理大臣だった。
「後期医療者制度」を元に戻したら現役世代の負担が増える。「現役世代の皆さん、それでいいんですか」という呼び掛けだ。呼び掛けの相手はアイツらに決まっている。日本近代史にはまるで無知なくせに「高齢者=逃切世代」として“排除”したがっている連中だ。この場合の“排除”は“Judenevakuierung”を連想させる。

こういう時代感覚の連中は、一人々々が自分のブログで吠えている分には電力と電波という資源が少し無駄遣いされるだけで済むが、彼等をまとめて一つの世論を形成しようと企んでいる輩がいるらしい。まとまると厄介だ。

「まとめ屋」として、現在、私がガンを付けているのはマネーゲーム屋の木村某だが、他にご存じであれば「鍵コメ」ででも教えて頂きたい。通報してくださった方には決してご迷惑は掛けません。

「後期医療制度」廃止を主張する人たちは増大する高齢者医療費を税金で賄えという。折しも「道路財源」を「一般財源」にすることが閣議決定されたのでそれを使えばいいという。対して道路族は必要な道路は作らなければならないから医療に回せないという。
では消費税の税率を上げて賄えばいい、というと政府は「高齢者の生活がかえって苦しくなる」と主張する。単一税率しか想定していない。ゼロ課税、非課税、低減課税は技術的に不可能だという。この「技術的に不可能」とする日本政府の見解をきく度に外国人は大笑いする。

カナダのバンクーバーにお住まいのTsukamotomaruさんからバンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州の状況を教えて頂いた。他にカナダの行政全体に関するサイトも教わっている。
カナダの(消費)税率は国税(GST)が5%、収税(PST)が7%で計12%だそうだ。
* 基礎食料品
人が消費するために売られているほとんどの食料や飲料(甘味料、調味料等も含む)は税を免除されています。
しかしながら、あるカテゴリーの食料品、例えば、炭酸飲料、キャンディ、お菓子、軽食等は税がかかります。 もし、ある商品の税が疑わしい場合、CRA(カナダ国税当局)はその税を決定するために、表示、ラベル、包装、明細書、広告の様式を考慮します。

基礎食料品に入らないもの: ワイン、スピリッツ、ビール、モルトリカー、その他のアルコール飲料

* GSTが免除されるもの:
中古住宅
長期滞在型宿泊施設、コンドミニアムの家賃
空き地、 農地の購入
医師、歯科医師による医療、歯科治療
14歳以下の子供のデーケア・サービス
橋、道路、フェリーの通行料
司法扶助
教育:資格や免許を得るための職業訓練学校
音楽のレッスン
学生のための食事、飲料(小学校、セカンダリー等のカフェテリア)
金融機関のほとんどのサービス
保険会社等による証券手配のサービス
チャリティーによるサービス

また、自分で検索してみてもゼロ税率、非課税、軽減税率などが適用される物品やサービスは各国ともほとんど同じである。
   
つまり日本の一律課税が突出しているのである。
その一律課税が「技術的制約の結果」というコジツケが外国の驚きと嘲笑を誘うのである。諸外国のこのような品目別課税を可能ならしめたのは日本が開発したキャッシュレジスターなのである。だから外国の驚きと嘲笑を誘うのである。

外国で自動販売機をお使いになった方は、その低機能に仰天されたはずだ。つまり、消費者との接点に使われるIT設備に限れば、まだまだ日本は先頭を走っているのである。

技術的制約から高齢者の生活が苦しくなるとは余りに見え透いたウソであり、そのウソを野党もマスメディアも黙認しているのである。

やはり「高齢者排除」は国民の総意らしい。
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# by convenientF | 2008-05-26 15:44
大学の同級生に、まさに「幼児レベルのジコチュ-老人」がいます。学業はまずまず優秀な方でした。サラリーマンとしてもそこそこ出世しました。

2001年10月、つまりアメリカ同時多発テロの直後、彼はアメリカに出張しました。時期が時期だけに入国手続きは厳重を極めました。いきなり顔写真を撮られ、指紋押捺を命じられました。そこで彼は抵抗して大立ち回りを演じ、留置場に一泊する羽目になりました。
帰国後、クラスメートが集まった席でこの事件を報告し、「他のヤツらはともかく、おれに対して実に無礼だ。許せん」と吠えたので「他のヤツら」の一人が「他のヤツらはともかく、ってどういう意味?」と質問しました。「決まってるじゃねえか。オレ以外の人だよ。オレ以外の人の写真や指紋をとるのは構わないねえけどオレのをとるのは許せん、ということだ」

子どもたちが独立して出て行ったので、このジコチュー老人は庭園付きの屋敷から超高層の集合住宅に移りました。その後の集まりで、移り住んだ集合住宅のセキュリティについて滔々と説明し始めました。彼の記憶にある集合住宅は昭和30年代のモルタル2階建てのようなのです。玄関のオートロック、新聞、郵便、荷物の配達方式、駐車場システムなど、彼にとっては驚異だったようですが聞いている方に取っては当たり前、あるいはチョット古い機能です。築後5年だそうですから多少古い機能もあって当然でしょう。

皆がうんざりしているのを読み取った司会役が「それで監視カメラはどれくらいの密度で置いてあるんだ?」と質問しました。その答えを聞いて話題を別な誰かに振るつもりだったのでしょう。
「監視カメラ?何だ、そりゃ」
「玄関周辺や廊下やエレベーターに隠しカメラが設置してあるだろうが」
「知らねぇ。そのカメラは何を写すんだ?」
これには司会も仰天しました。
「レンズの範囲内を定期的に写して不審者がいないかどうかチェックするアレだよ。銀行にも、コンビニにも、商店街にも必ずあるじゃねえか」
「それじゃ、もしオレがレンズの範囲内にいたら写されるのか」
「当たり前だろう」
「それはけしからん。他のヤツらはともかく、オレを撮るのは許せん。早速管理事務所に抗議しよう」

アメリカの空港での事件と同じ成り行きです。しかし管理事務所への抗議がどうなったのか、この時以降「転居通知」はまだ届いていませんから住んでいるようです。

この男の場合、認知症の「周辺障害」と言えそうですが、ともかく「暴走老人」であることは確かでしょう。「暴走老人!」では下記のように解釈されています。

(前略)もしかすると、彼はカメラによる映像システムそのものを受け入れがたかったのかもしれない。生身の自己と目に見えない監視システムとを天秤にかけると、当然、信用できるのは自分ということになる。
 私たちの日常にはテレビカメラによる監視システムが浸透してきている。それはミシェル・フーコーが『監獄の誕生』のなかで説いた一望監視システム=パノプティコンが、より高度に電子化された状態である。

(中略)この監視システムは建物の構造という具体を通り越して、囚人の内面にまでインプットされているのだ。意識、精神、神経といったレベルを支配することになる。これがパノプティコンの威力、あるいは恐ろしさである。

「暴走老人!」では、この後、「待たされること」と「待つこと」の人々の心への影響について考えます。この本の核の一つと言える部分です。
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# by convenientF | 2008-05-22 16:00
<日本>編を書いたのは「大宅壮一ノンフィクション賞」を受けたことのある奥野修司で、「小泉改革の犠牲者たち」というサブタイトルを付けています。

初めの方で、長年にわたって、働きながら学ぶ学生たちの有力な拠り所、住と食を保証する支援者というイメージで見られ、今でもそう思っている人が多いであろう「新聞販売店」の現状を紹介します。
長時間労働なのに賃金が安く、睡眠時間が細切れで生活のリズムが一定しないため「….人員は15人いますが、毎月、2、3人が脱走しますね」

日本人の貧困化を数字で見ると、平均年収2百万円以下の給与所得者は2000年に825万人だったのが2006年には1,230万人に増え、3百万円以下は1,740万人で、日本の労働者の3.5人に1人となっています。(国税庁「平成18年分民間給与実態統計調査」)

都留文科大学の後藤教授によると、日本社会の貧困化が進んだのは「橋本政権から始まり、小泉政権で急進した構造改革の時代」だそうです。構造改革は新自由主義改革とも呼ばれ、1970年代に米国のレーガン、英国のサッチャーが強行した政策です。そして日本では橋本内閣が着手しましたが選挙で負けました。その後、小泉政権が財界の後押しを受けて強引に進めました。
その柱は、社会保障費を毎年2,200億円減らす「骨太の方針」、大規模企業の支配を強化する「三位一体改革」、賃金水準を下げる「労働者の非正規雇用化」です。サッチャーでさえ生活保護費や失業年金などの社会保障費を増額してショックを和らげたのですが、小泉はそんなことはしませんでした。
貧困増大、医療崩壊、教育破綻、介護削減は、すべて新自由主義改革の結果なのです。

数字で見ますと、2006年にOECDが公表した日本の「相対的貧困率」は米国を僅かに下回る2位となっています。相対的貧困率とは、中位の所得の半分未満の所得しか得ていない人々の割合です。つまり格差です。日本は世界に冠たる格差大国なのです。

これこそが小泉政権の功績です。

ついでですが、小泉政権が遺したいろいろなものの中で私が生理的に最も嫌いなのは、「骨太の」、「聖域なき」、「三位一体の」といった、本来の意味を知っていて使ったのかどうかが不明な表現です。「自衛隊が居るところが非武装地帯」と言う国民を侮蔑しきった奇弁と並んで、彼の賤しさが如実に現れています。
過去150年間に慶應の経済を卒業した人々の中で、小泉純一郎というのは最も賎しい人物であると私は確信しています。
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# by convenientF | 2008-05-16 13:29
『暴走老人!』を読んでいる途中で月刊『中央公論』と『文藝春秋』が来ました。『中央公論』の注目記事はsaheizi-inokoriさんの「梟通信」で紹介されましたので、私の方は『文芸春秋』を…

月刊『文藝春秋』2008年6月号で“これぞジャーナリズムだ”と私が思った記事は「ルポ 世界同時貧困―中流が堕ちていく」の<米国>と<日本>です。

<序文>は‘被告人’佐藤優が書いていますが<米国>は堤未果が執筆しています。彼女は『赤旗』に寄稿したりしているので「色眼鏡」で見られているようですが、私はそのことには触れません。人は何かを主張すると誰かから「色眼鏡」で見られることになっています。「色眼鏡」を気にしていたら何も言えません。

さて、<米国>編には「医者さえ転落する」というサブタイトルが付いています。最初に紹介される事例は46歳の勤務外科医だった人物です。年収は20万ドル(2千2百万円くらい)ありました。ところが、訴訟大国アメリカで産科医や外科医などリスクの高い分野の医者が加入する「医療過誤保険」が、2001年の9.11以来、年間5万ドル(約6百万円)から18万ドル(約2千万円)に跳ね上がりました。この保険料を払ったら手元には2万ドル(2百万円)しか残りません。医師の妻は「低所得者用食糧配給切符」の受給を申請しました。
高額な医療過誤保険に加えて、製薬会社と保険会社の両方が病院の経営方針に口を出してくるようになったことも医師たちを苦しめました。日本では厚生労働省が医療機関を締め上げ始めています。他人事ではありません。
現在、米国では医者の他に教師、公務員、製造業の中間管理職クラスの人々が下層階級に転落しつつあるそうです。そして65歳以上のアメリカ人の4分の3が1人暮らしで、次回の食事の当てのない「飢餓人口」に属しているという統計があります。

<日本>編は次稿で…
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# by convenientF | 2008-05-15 16:46
このところ「暴走老人!」(藤原智美、文藝春秋社)をポツポツ読んでいます。
「思い付いたこと、目に付いたことを書き付けただけ」という書評が記憶にありますが、こんな本はそれでいいんじゃないかと思います。題材が題材ですしね。

とは言え、

 分別があってしかるべきとされる老人が、ときに不可解な行動で周囲と摩擦を起こす。あるいは暴力的行動に走る。こうした高齢者を、私はひとまず「新老人」と呼ぶ。

ってのには引っ掛かります。開業から44年経ってもいまだに「新幹線」「新大阪」、というのを思い起こします。「ひとまず新ナントカ」は私は好きになれません。いずれ古くなるからです。

この「新老人」が暴走する原因を、著者は

彼等が社会の情報化へスムーズに適応できないことにある

と要約しています。

ここで「情報化」という、役所用語風の言葉を使ってしまうところに「思い付いたこと、目に付いたことを書き付けただけ」との書評が当てはまるかもしれません。
日本の役所は何でも「情報化」で片付け、英語にするときには「informatize(動詞)、あるいはinformatization(名詞)」を当てます。この記事はMS-Wordで作成していますが、これらの単語には赤の波線が付きました。MS-Wordはこれらを英単語と認めていないのです。英語国の人々が英語とは認めていないからMS-Wordが認めないのです。それでも日本の役所は「informatize(動詞)、あるいはinformatization(名詞)」を使います。先方に通じないから、とプロの翻訳者が反対しても脅かして使わせます。
「情報化」とは、意志、知識、状況が電子の信号という形で伝達、処理、蓄積されることを意味するようです。「ようです」とあえて推定表現を使うのは、民間人が民間人のために作成する文書では、通常、使わない言葉だからです。特に意志、知識、状況を表す電子信号に関わる文書では「電子化」「デジタル化」あるいは「コンピューター化」といった、もう少し具体的な表現が使われます。それらの電子信号の伝達、処理、蓄積を扱う技術の方は、昔は「データ処理」と呼んでいましたが現代では「情報技術」(Information Technology=IT)が一般的なようです。

この「暴走老人!」という本がどういう人たちを中心読者に想定して書かれたのか定かではありません。しかし、少なくとも役所が公費で購入する書物でないことは確かでしょう。一般市民に読ませるために書くのであれば「情報化」などの「○○化」といった言葉は避けるべきだったと思うのです。芥川賞を受賞したプロの作家なのだから難しい注文ではないはずです。

他にも語法や表現には気になる点がありますが、たとえば「待つ」という日常の出来事の分析などは実に面白く、説得力があります。私のような老人自身にとっては笑い話でしかない事例と解釈も、日頃身近な老人の行動に困っている方々にはその心理の理解の助けにはなりそうに思えます。

私が特に興味を持ったポイントを次稿から紹介していくつもりです。
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# by convenientF | 2008-05-13 12:58
(コメントなどの呼び掛けでは「CF]と略して頂いて結構です。)

前記事で紹介しました友人の「オフクロ」さんですが、結局元の施設において貰えることになりました。

さて、昨晩は久しぶりで「ジョンQ ー最後の決断」のDVDを引っ張り出して観ました。

ある日突然、少年マイク(ダニエル・E・スミス)が心臓病を患い、昏睡状態に陥る。心臓外科医レイモンド・ターナー(ジェームズ・ウッズ)によると心臓移植しか助かる道はないとのことだが、適応されるはずの保険が利かない。父親のジョンQ(デンゼル・ワシントン)の会社が、勝手に保険ランクを下げていたせいであった。仕事をリストラされ、パートタイマーに格下げされていた彼は、国の補助も受けられない。そこでジョンは、拳銃を手に、病院の救急病棟を占拠する。医師、看護婦、患者らを人質に立てこもり、息子の心臓手術を要求。シカゴ市警のベテラン警部補フランク(ロバート・デュヴァル)とのやりとりの中、世間の注目が集まっていく。やがてジョンはターナーに、自分の心臓を使って手術することを申し出る。だがジョンが自殺する直前、女院長レベッカ(アン・ヘッシュ)の心変わりもあり、マイクに適合する事故死した女性の心臓が手に入り、マイクの命は助かる。そして裁判。ジョンは有罪になるものの、皆にヒーローとして崇められるのだった。(2002年、「あらすじ」はgoo映画)

日本では2006年から心臓移植にも健康保険が適用されることになりましたが、アメリカには公的な健康保険がなく、保険会社との契約になります。契約形態は全額雇い主負担から全額個人負担まで様々であり、保険の対象になる病気や治療も契約次第のようです。さらに同じ保険会社と契約している医療施設しか利用できないそうです。だからこういう映画が作られるのです。契約している保険会社の悪口が何度も出てきます。

こういうアメリカと比べて「我が国は国民皆保険です」と政治家は胸を張ります。しかし、日本に住む日本人は本当に一人残らず保険でカバーされているのでしょうか。すべての世帯が保険証を持っているでしょうか。残念ながら現実は「ノー」です。

保険料が給与から天引きで職域の健康保険組合に加入している方々は驚かれるでしょうが、主として個人事業主が入る「国民健康保険」の保険料は税込み収入の10%を超えます。国民健康保険は市区町村が運営しており、その保険料も市区町村によって異なりますが、年収200万円台で年額30万円から40万円です。アメリカでの個人契約に比べれば半額にもなりませんが、年収200万円台の人が払える額ではなさそうです。既に40万世帯ぐらいが保険料滞納のため保険証を没収され、無保険状態になっていると推定されます。

この保険料は毎年ジリジリと上がっており、今度の「後期高齢者医療制度」にも「支援」を拠出するためさらに上がっていくでしょう。命綱とも言える健康保険料を滞納する人は市民税なども滞納している場合が多く、そうすると住民登録からも抹消されます。犯罪報道で見かける「住所不定」がこのケースです。先祖代々の家で寝起きしていても「住所不定」です。そこそこの賃貸マンションに住んでいても「住所不定」です。住民登録を復活させるには滞納分を全部払わなければならないので「住所不定」という世界から戻ってくる人は滅多にいないようです。

「国民皆保険」の実態がこのように変化している中、もう一つアブナイ制度が新設される気配です。

私は「日経ビジネス」の日刊メルマガ版である【NBonline】を購読していますが、昨日号に載っていた記事です。

厚労省が進めているのは、医療版事故調査委員会と呼ばれる新組織の設立構想。(中略)
だが、昨年、厚生労働省が公表した試案には、現場の医師から強い批判の声が上がった。そこに、事故調が出す調査結果が医師の刑事訴追にも使われるとの内容が盛り込まれたため、「原因究明や再発防止よりも、医師の責任追及に重心が置かれている」と受け止められたのだ。(中略)
医療事故の原因究明という目的を掲げる事故調だが、結果的には医師を萎縮させ、救急医療の現場からの離脱を促してしまいかねない。


既に産婦人科医と小児科医が極端に不足しているようですが、次は救急医療が大変な危機に陥るかもしれません。
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# by convenientF | 2008-05-09 14:48
半世紀を超える長期にわたって消息が途絶えることなく、互いに社会的地位が何様になろうと「XXチャン」やら、由来不明の渾名やら、乱暴な呼び捨てで付き合っている友人が男女合わせて1ダースばかりいます。
遠くに住んでいるために年に1回も会えないのもいます。
同じ首都圏にいても年齢と共にわざわざ会いに出かける頻度は低下しています。

そうした条件悪化を補っているのがメールです。
長生きはするもんだ、ありがたいものができたとしみじみ感じています。

その中に筆まめで週に1度以上はメールを送ってきていた男が、突然1ヶ月以上音信不通になりました。
4月中旬になってようやく届いた便りには

オフクロの介護施設が大問題。
施設側からの話では、認知症または重度身体障害認定者を対象とした終身介護施設である特別養護老人ホームは、待機者長蛇の列で全く空きがなく、指定介護保険施設としては、一定期間を過ぎたら退所させろとの行政指導ルールに従わざるを得ないとのこと。


実はこの友人は重篤な心筋梗塞で2回手術を受けています。2回目は今年の2月です。
彼の奥方も頻繁に狭心症を起こすので二人ともニトログリセリンを手放せません。

そして問題の「オフクロ」さんは100歳!
しかも数年前に施設内で転倒し、今では自立歩行不能。

そこで

70歳を超えた夫婦が、100歳の超高齢者を在宅ケアするのは非人間的であると窮状を訴え、GW後の再入所を交渉

したそうです。

一方、4月1日よりのオフクロによる後期高齢者医療保険料の追加負担と、被扶養家族認定の停止については、いち早く通知が送られて

怒っていました。

4月30日に次便が来ました。

役人が机上で勝手に決めた退去期限である4月28日までに何とかしなければとアッチコッチ探しまわった結果、ギリギリになって最寄の私的有料老人ホームに、体験入居という名目で、ゴールデンウィーク明けの5月7日まで預かってもらうこととなり、昨日転院した。
しかし体験入居期間経過了後の問題はまだ残っており、改めて特別養護老人施設への受け入れを交渉中だが、確たる見通しはたっていない。


彼は十分な資金を持っているので、それこそ金に糸目は付けずに探しています。
我々悪友もネットの検索を初め、思い付くかぎりの手段を尽くして探していますが現時点ではまだ見つかっていません。

これが「福祉国家」です。
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# by convenientF | 2008-05-03 14:21
福沢諭吉の残した「遺伝之能力」という文には

肺病、癩病、梅毒、癲狂(てんきょう)等の諸病は、親子相伝へ兄弟姉妹其(その)質を共にして之を免かるること難し

とあるそうです。
肺病、つまり肺結核は20世紀初頭まで遺伝病とされ、血縁者に結核患者がいることが知られると結婚できないので大変だったらしい、と母親から聞いたことがあります。今では伝染病であることを誰も疑ってはいません。
ハンセン病(ライ病)も結核の場合と同じ頃に伝染病であることが判明したそうですが、それでも日本ではなんと1997年までハンセン病に罹ったことのある人は子供を作ることが許されていませんでした。

遺伝子研究が急速に進んでいる現代でも「遺伝病」なのか、子孫に遺伝しない「先天性疾患」なのか、単なる「伝染病」なのか、判然としない病気がいろいろあるようです。だから私は「遺伝性ナントカ」という説を信じなくなっています。

しかし一つだけ例外があります。

貧乏してしまうという体質、見栄っぱり、根性なし、自堕落、自制心のないこと、浪費など、そういった性情は、あきらかに(全部ではないが)子孫に伝わっていく。すなわち、肺病は遺伝ではないが、貧乏は遺伝するのである。
(中略)私は、断じて貧乏は遺伝すると考えている。

この説だけは信じています。
私の大好きな山口瞳の、私の大好きな「血族」の一節です。
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# by convenientF | 2008-05-01 15:50
今の世の中には無数の「有益説」「無害説」「有害説」が流布されています。
それらの説は、すべて、誰かのゼニ儲けのタネだと思って聞き流せば毎日が気楽になります。

思えばトリスバーが全国に現れた時代、何の「有益説」「無害説」「有害説」もなく、皆フワフワと生きていました。

人間は~、気楽な稼業と来たもんだ、アソーレ、スイスイスーダラッタ、スラスラスイスイスイ!

*コメントなどの呼び掛けでは「CF]と略して頂いて結構です。
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# by convenientF | 2008-04-28 16:19