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後悔先に立たず  

2002年1~3月期から、2006年4~6月期までの期間に名目GDP(年率換算)は21兆円増えたそうです。史上最長の好況です。企業の配当、役員賞与、内部留保は当然上昇しましたがサラリーマンの所得は4兆円も減っているそうです。

こんなような現象です。

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その上、配偶者特別控除の廃止、老年者控除の廃止、定率減税の半減と3.9兆円の大増税が実施されました。定率減税という変なものも全面的に廃止されましたが、所得税が掛かるだけの所得のある人は激減しているので残っていても機能しません。そもそも、未だにガヤガヤと騒ぎの種になっている定額給付金は、所得税の減税として考えられたものでしたよね。しかし「所得税が掛かるだけの所得のある」少数の人にしか恩恵が及ばないことに気づいて「給付金」に切り替えられました。

国税庁によるとサラリーマンの年収は10年ぐらい続けて減っています。 そこへアメリカ発の恐慌が襲ってきたのですから地獄です。ない袖は振れませんから人々は消費しません。

そもそも、あらゆる物とサービスに関わるすべての生産・流通活動の目的は消費財と消費者へのサービスの提供なのです。だから消費者がお金を使わなくなれば物とサービスに関わる生産・流通活動は無用の存在になるのです。経済とは、この消費財と消費者へのサービスの提供のための生産・流通活動のサイクルなのです。消費者の支出が生産・流通活動の元手になるのです。だから消費者が支出を抑えると生産・流通活動にブレーキが掛かります。

消費者が支出できるお金は労働の対価です。企業が収益を資本側だけに分配し、労働側への分配を減らせば消費支出が減るのです。要するに企業、つまり資本側は自ら首を絞めて来たのです。この愚かな行動の思想的な柱が「新自由主義」です。「新自由主義」とは、資本が自らの首を絞めるように導く悪魔の思想であり、「邪教」と呼ぶべきです。

この邪教を日本に広めたのが小泉・竹中政権です。その布教の過程は月刊「文藝春秋」三月号『竹中平蔵君、僕は間違えた』に具体的に書かれています。この邪教の導入と布教において竹中を手伝った中谷巌という人の懺悔です。
by convenientF | 2009-02-26 16:15